ワインエキスパートやソムリエを目指すなら絶対覚えなくちゃいけないボルドーの格付けシャトー。
覚えるのは大変ですが、ちょっとだけ楽に覚えられる方法をご紹介します。
【更新情報】
2017年11月12日公開。
2020年1月29日更新。

 

 

ワインヌ先生
ワインエキスパートもソムリエみたいなバッジ貰えるって知ってた?
まーくん
知ってます!


まーくん
ふふふ、僕は昨年合格したのでもらいました!
ワインヌ先生
そーだったな、おめでとう!! なお、シニアだとブドウの上の部分に「senior」がつく
まーくん
ですね。ちなみにソムリエは業務中につけれますが、エキスパートってバッジつける機会ありますか?
ワインヌ先生
あるある。

ソムリエは3年以上アルコール飲料を提供する飲食サービスや、ワイン、酒類、飲料の仕入れや管理などの仕事をしてないと受験資格がないから(※)、例えばワインバーに勤めて1年目の人はワインエキスパートのほうをまずは取って、そのバッジつけて仕事してたりするよな。

日本ソムリエ協会の正会員か賛助会員になったら3年のところが2年に短縮されるから、普通はそれ待って資格ゲットする人のほうが多いかも

※ 他に輸出入、流通、販売、教育機関講師、酒類製造、アルコール飲料を取り扱うコンサルタント業務。
まーくん
へー
ワインヌ先生
というわけで、今回はワインエキスパートやソムリエ目指す人のためにフランスのワイン銘醸地であるボルドーのメドックにある格付けシャトーの覚え方を教えるぜ!

1級はシャトーはさくっと覚える

シャトー名には冒頭に必ず「シャトー」がつきますが、今回は記述簡易化のために略しています。
ワインヌ先生
1級シャトーは5つだけなのでさくっと覚えようぜ。あ、ついでにAOCも絶対覚えなくちゃならないけど、これも簡単。

ちなみに、シニア目指す人は原語で覚えたほうがいいぜ。ボルドーが出題されることは少ないとは思うけど、原語で答えを書かされることがあるんだよなー。正答わかってたのに、スペル間違ったら超もったいない(※)ので

※ シニアの過去問を解いた際、「正答はわかっていたのにスペルを間違えた」問題がかなりありました。本当にもったいないです。
まーくん
1級シャトーは、いわゆる5大シャトーですね! ラトゥール、ラフィット・ロートシルト、マルゴー、ムートン・ロートシルト、オー・ブリオン
ワインヌ先生
そうそう。
AOCは、マルゴーはAOCマルゴー、オー・ブリオンはメドックじゃなくてお隣のグラーヴ地区(※)のAOCペサック・レオニャンっていうAOCであとはポイヤック。ま、1級は5つしかないから簡単だな。ちなみに格付けは1855年にされて、1973年にムートンが2級から昇格したことも覚えておくとよし

 

※ 格付けシャトーでグラーヴ地区のシャトーはオー・ブリオンだけです。

2級~4級は、まずは頭文字を暗記する

ワインヌ先生
次は2級から4級。まずはそれぞれのシャトーの頭文字を覚えてほしい
まーくん
イエス!  頭文字!
ワインヌ先生
シャトーの数は1級から5級まで61シャトーある。それを何のフックもなく覚えるのは非常に難しいので、頭文字というとっかかりを覚えておくと続くシャトーの名前を思い出しやすいというわけ
まーくん
ですです
ワインヌ先生
じゃあいくぜ。

2級→コモピピデュグレレレデュラロロブ

3級→ララママフェデディキボカパジラ

4級→ラデュベブサタマププラ

 

2級は上からコス・デストゥルネル、モンローズ、ピション・ロングヴィル・バロン、ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド、デュクリュ・ボーカイユ、グリュオ・ラローズ、レオヴィル・バルトン、レオヴィル・ポワフェレ、レオヴィル・ラス・カーズ、デュルフォール・ヴィヴァン、ラスコンブ、ローザン・セグラ、ローザン、ガシー、ブラーヌ・カントナック。という感じに3級も4級も頭文字で並べています。
まーくん
相変わらず呪文ですねえ
ワインヌ先生
でも、これ覚えておくとすごい便利なんだよな。お風呂入るときとかトイレとか、なんかのシーンでふと思い出して反芻するとなおよし

2級シャトー AOCの関連付け方

ワインヌ先生
これにAOCを関連付けていかなきゃならないんだけど、「三丸三重丸」って知ってる?
まーくん
もちろんです! メドック(オー・メドック)のAOCの覚え方ですね
ワインヌ先生
さすが合格者。
これは、それぞれのAOCを数字に当てはめてる。

三→サン・テステフ
丸→ポイヤック
三重→サンジュリアン
丸→マルゴー

まーくん
懐かしいなあ、僕もそうやって覚えました
ワインヌ先生
なお、これを数字にすると「3030」。ついでに最後、AOCオー・メドックも「0」に代替する。すると、

2級→3030

3級→3300

4級→30300

となる

2級(3030)→サン・テステフ、ポイヤック、サン・ジュリアン、マルゴー

3級(3300)→サン・テステフ、サン・ジュリアン、マルゴー、オー・メドック

4級(30300)→サン・テステフ、ポイヤック、サン・ジュリアン、マルゴー、オー・メドック

3が続くのは3級だけ、と覚えると簡単です。

まーくん
分かれ目はどうやって覚えるんですか? 僕は何となく覚えました
ワインヌ先生
リズムかなあ……??

2級→コモ(3)/ピピ(0)/デュグレレレ(3)/デュラロロブ(0)

3級→カ(3)/ララ(3)/ママフェデディキボカパジ(0)/ラ(0)

4級→ラ(3)/デュ(0)/ペブサタ(3)/マププ(0)/ラ(0)

 

2級はAOCサン・ジュリアンとAOCマルゴーが多い、3級はマルゴーが多い、4級はそれぞれのAOCが少ないことも合わせて覚えておくといいかもしれません。
ワインヌ先生
覚えるときに「/」で息継ぎするようにしたら覚えやすいかもな
まーくん
なかなか大変ですが、とにかく呪文のようにブツブツとなえることがポイントですね
ワインヌ先生
なるなる

5級シャトーはほとんどポイヤック

ワインヌ先生
5級シャトーはほとんどAOCポイヤックだから、それ以外を覚える、と。ポイヤックは何となくでいいと思う
まーくん
え、いいんですか? 僕は全部覚えてしまいました……
ワインヌ先生
そりゃ全部覚えたほうがいいけど時間ない人が多いからなあ。問題がマークシートだから、5級シャトーが出てもAOCポイヤック以外を覚えておけば何とかなる。とは言え、言い切れないので心配な人は覚えたほうがいいぞ
まーくん
まあ、AOCポイヤックだけで12シャトーあるから、時間がない人は省いたほうがいいかもしれないですね
ワインヌ先生
そういうこと。覚え方はさっきの2級~4級と同じで、AOCポイヤック以外の頭文字を覚える。

 

5級→コ/デュド/ベカカ(300)

AOCがマルゴーとAOCオー・メドックは村も覚えておいたほうがいいかも。5級はデュ・テルトルがAOCマルゴー、アルサック村、ドーザックがラバルド村。ベルグラーヴがAOCオー・メドックでサンローラン村、カマンサックが同じでカントメルルがマコー村。同じように2級~4級もチェックしておくといいかもしれません。

同じ頭文字のややこしいシャトー

ワインヌ先生
同じ頭文字でよくひっかけ問題に登場するシャトーがあって、その違いはよく覚えておいたほうがいい
まーくん
ですねえ、これはホント鬼門
ワインヌ先生
2級のデュクリュ・ボーカイユ(AOCサンジュリアン) とデュルフォール・ヴィヴァン(AOCマルゴー)(※)なんだけど。飲んだことあって、味が全然違うじゃん! って人は間違えないと思うけど、暗記オンリーで頑張ってる人は結構間違えるから要注意
※ 2016年のワインエキスパートの1次試験に登場しています。2級シャトーでAOCサン・ジュリアンを答えさせる問題で、選択肢に両方のシャトーがありました。
まーくん
そうそう格付けシャトー飲めないですしねえ
ワインヌ先生
だよなー
ワインヌ先生
あとは「ラ」の頭文字がめちゃくちゃ出てくるので、これもしっかりと覚えておいたほうがいいと思う。

2級はラストに昆布のラスコンブ、3級はラグランジュ(AOCサンジュリアン)、ランゴア・バルトン(AOCサンジュリアン)、ラ・ラギューヌ(AOCオー・メドック、リュドン村)
4級は最初がラフォン・ロシェ(AOCサン・テステフ) 、最後がラ・トゥール・カルネ(AOCオー・メドック、サンローラン村)、5級にもAOCポイヤックにランシュ・バージュ(※)、ランシュ・ムサス

※ ランシュ・バージュは5級ながら非常に人気シャトーです。漫画『神の雫』にも登場しています。
ワインヌ先生
大変だけど、少しずつ覚えていくと何となくこのシャトーは何級のどの辺だったよな~って覚えられるから、毎日コツコツ覚えていくことをお勧めする
まーくん
メドック飲みたくなってきた……

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