シャンパンの泡は塵やゴミである──そんな話を聞いたことがありませんか? いやいや、瓶内二次発酵によって発生した自然の泡だぞ!? とお怒りになる人もいらっしゃると思いますが、今回はそんなワインの泡の謎について迫ってみました。
【更新情報】
2018年1月28日公開。
2019年3月31日更新。
ワインヌ先生
オレ、ずっとシャンパンとかのスパークリングワインの泡って、どんなグラスに注いでもキレイに泡が立ち上るもんだとばかり思ってた
まーくん
え、違うんですか!?
ワインヌ先生
グラスの内側に繊維質などの塵がないと、泡はうまく立ち上ってくれないそうな
まーくん
え、そーなんですか!?
ワインヌ先生
そう。それも関連してるし、まあ現実にはありえないけど完璧に拭き上げてグラスの内側に何にもついてなかったら、泡は発生しないんだと!
※ モエ・エ・シャンドンが過去に、塵ひとつついていないグラスで泡が立つのか……という実験をしています。結果、泡は立ちませんでした。中の二酸化炭素は、すべて液体表面から抜けていきました。
開栓→気圧が下がり泡が発生
ワインヌ先生
泡ワインは、密閉されてるときは安定した状態だから泡は発生しない。
開栓することで液体を抑えていた気圧が下がり、ワインの中に閉じ込められていたガスが液体の中で泡となり発散しはじめる。この泡がちょっとした衝撃で外に向かって、立ち上っていく
開栓することで液体を抑えていた気圧が下がり、ワインの中に閉じ込められていたガスが液体の中で泡となり発散しはじめる。この泡がちょっとした衝撃で外に向かって、立ち上っていく
まーくん
ふむふむ
ワインヌ先生
泡ワインを注いだときに泡が立つだろ?
衝撃を少しでも加えると泡は発生する。ただし、グラスを静かに置いたままだと、泡は発生しない
衝撃を少しでも加えると泡は発生する。ただし、グラスを静かに置いたままだと、泡は発生しない
まーくん
なるほど
ワインヌ先生
そして、目に見えるか見えないかくらい小さな塵や繊維質などの不純物がグラスの内側についていると、それらに内包された空気が液体に溶けきれず、立ち上る泡の出発点となる
まーくん
なるほど!
ただし「泡=塵」ではない
ワインヌ先生
とは言え、「スパークリングワインの泡=塵」ではないぞ
まーくん
ですね、ちょっとゴチャゴチャになっちゃいそうだけど……
ワインヌ先生
あくまで、ガス注入されたもの以外はワインの中で二次発酵した際に発生した泡である
まーくん
そうですね
ワインヌ先生
それがグラスの中で発生する際、塵についた空気に誘発されるということだな
グラス洗浄後は熱湯にくぐらす
ワインヌ先生
でも、だからと言って洗った後は思い切り布で拭いたほうがいいわけでもない
まーくん
え、なんでですか?
ワインヌ先生
内側につく不純物が増えて、泡がいろんなところから発生するから気が抜けるのが早まっちゃうんだな
まーくん
あぁ~……
ワインヌ先生
なので、グラスを洗った後は50℃から60℃の熱湯にくぐらせて、静かに置いておくと熱で乾くのが早まるからオススメ
まーくん
そうすると拭かないでもいいですもんね!
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<参考>
ジェラール=リジェ・ベレール『シャンパン 泡の科学』 白水社
「シャンパンの泡、ビールの泡、グラスの泡」│ワインの歳時記