無添加ワインって本当に体に良いものなのでしょうか?
今回はそんな疑問にぶち当たった2人が、体によいワインについて雑談するようです。
【更新情報】
2017年12月21日公開。
2019年3月5 日更新。

無添加ワインって……

まーくん
無添加ワイン、すごい流行中ですよね!
ワインヌ先生
だな~添加物が嫌われだしてから、どんどん注目されてるな
まーくん
ぶっちゃけ、本当に体にいいんですか?
ワインヌ先生
無添加ってのは、添加物入れてないですよーってことだから、添加物嫌いな人とか摂取すると具合悪くなる人にとっちゃいいものだと思うぞ。

ただし「酸化防止剤無添加ワイン」だと、酸化防止剤(※1)は入ってないけど別の添加物は入ってる可能性がある。

そして、ワインの基本は「値段が高いほど品質が高い傾向にある」んだが、「安いほど原料ブドウの畑に除草剤使ってたり、化学肥料つかいまくってたり」する。その理由は、そっちのほうが「大量生産できる」から。

逆に言えば、そういうもの使ってないビオワイン(※)は安く売ると農家が生きていけないから高めに設定されてる。そして、ワイン法が来年から施行となる日本では、他のワイン法がある国に比べてワインに関する情報が遅れがちなので消費者が騙されやすい

※1 ワインに入っている場合、必ず亜硫酸塩や二酸化硫黄などの表記があります。
※ ビオワイン=有機農法で造られたワイン。
まーくん
えええ!
ワインヌ先生
あと、恐いこと言うようだけど、安いワインって海外から濃縮果汁を買ってきて水を加えて日本でワインにしてることがある。

するとだな、濃縮果汁をつくるときに色々添加してたりして、それがこっちに来たときに添加物の量が規定値以下だと表示しなくていいことになってる。つまり、無添加と書いておきながら、全然無添加じゃなかったりする可能性だってある

まーくん
マジですか……
ワインヌ先生
さらにだ。

なぜ、わざわざ無添加だと大きく書くのか

世界中に酸化防止剤の無添加だったり化学肥料や除草剤一切使ってないワインはたくさんあるけど、銘柄にそれを示す言葉を入れたりしない。つまり、無添加を売りにして大量に売りさばきたいからなんだな。ロマネ・コンティのラベルに「有機農法してる美味しいロマネ・コンティ」とは書かない。

別に売りさばきたいことは悪いことじゃないけど、無添加以外に売りどころのないワインってことかもしれん……とワイン好きな人は思うから、ターゲットは普段あんまりワインを飲まない人なんだろうなあとは思う

まーくん
あああ、たしかに
もちろん国内産のブドウを使用してつくる無添加ワインもあり、「いつづワイン」など安全性に気をつけた製造法で造られているワインもあります。

無添加ワインって農薬使ってないの?

ワインヌ先生
これもよく勘違いされてるけど、無添加ワインは別に原料ブドウに対して化学肥料を使っていないとは言っていない

そういう無添加ワインもあるとは思うが、有機農法の場合はそれがわかるマークなり表記がどっかにあることが多いし、めちゃくちゃ安い数百円のワインでビオワインであることはほぼないと思う

まーくん
よく、酸化防止剤入りワインを飲むと頭痛がするって人がいますが……
ワインヌ先生
んーそういう人もいるかもしれないけど、そもそも酒自体が体調によって頭痛を引き起こしたりするものだよな(※2)。

そして、前述した原料ブドウの質ブドウを栽培するにあたり農薬をガンガン使ってる場合、頭痛が起こったり全身痒くなったりする人はいる。

酸化防止剤については自然発生する場合もあるもので、古代ローマ時代からワインの防腐のために使用されてる安全なものとの位置づけだ。各国、リミットを設定してるし、そのリミット量を長年摂取しても問題ないとのデータもある。

酸化防止剤入れずに腐ったブドウ汁飲むほうが体に害があるとは思うぞ

※2 エタノールが代謝されたときに発生するアセトアルデヒドは頭痛を引き起こします。また、ワインの場合はヒスタミンやチラミンが頭痛の原因になることも。これは無添加云々で除去できるものではありません。
まーくん
じゃあ、酸化防止剤入れてないワインって、どうやって腐るのを防いでるんですか?
ワインヌ先生
ィルターで雑菌を濾したり、加熱処理したり、雑菌が増えない酵母を利用したりしてるな
まーくん
え!
加熱したら酵母(※3)死んじゃうんじゃ……
※3 香りの前駆体を分解するもの。つまり、香りを発生させるもの。これの種類により香りが違ってきますが、加熱すると死滅するために本来のワインの香りではなくなります。
ワインヌ先生
そういうことになるな。

人によっては「無添加ワインが美味しい、普通のワインまずい」って言うが、加熱処理してる無添加ワインってのは本来の意味でワインとは言い難いアルコール入りブドウジュースなので、そもそもワインとは別もののような気が……。

好みって千差万別だし、そういう人の口にはワインって飲み物は合わないと思うから、チューハイとかカクテルとかを飲んでたほうが楽しいと思うぞ

まーくん
ですねえ。

ワインって酸味や苦味がありますが、日本のチューハイって苦味はないし、ビールは苦味甘味はあっても果実味はない普段、味わっていない類の酒であるワインを飲むと舌が拒否しちゃうのかも

ワインヌ先生
味覚って不慣れなものに対して敏感だし、最初はそういうもの嫌うはずだから、最初に飲んだワインをまずく感じたら好きになる可能性は低い

体に悪くないワインって?

ワインヌ先生
やっぱりビオロジックとかビオディナミ(※4)でつくられたブドウが原料のワインじゃねえかな。

とは言え、それを売りにしてる比較的安価なものもいいけど、わざわざボトルに書いてないけどいいシャトーとかドメーヌは割りとビオディナミで造ってたりする。あと酸化防止剤の量を極力抑えているものはヴァン・ナチュールと言って、その場合は加熱処理はせず丁寧な方法(※5)で雑菌の繁殖を抑えてる

※4 ビオロジック→有機農法。化学肥料や除草剤を使わない。ビオディナミ→ビオロジック+星や月の運行も農作業に取り入れ植物本来の力を引き出す農法。ものすごく手間がかかる。ロマネ・コンティとかルロワ、シャトー・ラトゥール、コント・ラフォン、ドメーヌ・ルフレーヴなどがビオディナミを採用。
※5 アセトアルデヒドの発生を抑制する酵母を使用したり、極力酸化させないよう瓶詰め時に酸素をほとんど入れないよう気をつけるなどなど。
まーくん
ロマネ・コンティはビオディナミでつくられてますよね
ワインヌ先生
そうそう、一流の造り手は資金力もあるからなあ。

ただ、ビオワインってやっぱり野生酵母使ってて酸化防止剤も入れてなくて……となると、どうしてもビオ臭があったりもする

まーくん
あの、酸っぱいニオイですか
ワインヌ先生
そうそう、独特の酸っぱい黄色リンゴを酸化させたようなニオイ。

好きな人は好きらしいけど、俺は苦手だなあ。
店でビオワインばっか5種類くらい飲んだら、全然違うワインなのに必ずビオ臭がして悲しかったぞ(※6)

※6 状態の良いビオワインはビオ臭も少ない、もしくはないと言われています。でも実際は難しい話で、開栓から時間が経つと漂ってきてしまったりも。全然ビオ臭がないビオワインもありますが、ビオ臭があっても高品質なワインもあります。
まーくん
こだわりある人なら、全然平気なのかもしれないですね
ワインヌ先生
あとはまあ、ビオワインの特徴だからクセになるって人もいるな。

でもさ、日頃口にするものにも添加物はめちゃくちゃ入ってるし、野菜にも農薬がかかってる。すごい気をつけてて、そういうもの口にしません! って人以外は、今の時点で元気ならワインの酸化防止剤なんてどうってことないと思うぞ。あ、ただし喘息持ちの人は注意な、悪化する可能性がある

まーくん
売り手の商法に惑わされず、美味しくて安全なワインを飲めるといいですよね
ワインヌ先生
だな~。

有機ワインなら「ECOCERT(エコセール)」(フランスのオーガニック製品認証団体)、「Agriculture Biologique(アグリカルチュールバイオロジック)」(フランス政府(仏・農業省)による認証であるABマーク)、ビオディナミなら「Demeter(デメテール)」(オーガニック認証機関)のマークがついてるものを選ぶといいかもしれん。ただし、酸化防止剤について規程はない。裏を返せば、それほど酸化防止剤は危険じゃないってことかもしれん

まーくん
体への良し悪し考えたことなかったですが、ちょっとチェックしてみます!
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