この時期に解禁されるのはボジョレー・ヌーボーだけではないって知ってましたか?
実はフランズのあちこちで新酒(プリムール)が解禁されます。
今回は中でもオススメの白ヌーボーをご紹介したいと思います。
【公開情報】
2017年11月19日公開。
2019年7月17日公開。

 

ワインヌ先生
白ヌーボーも旨いよな
まーくん
え、ボジョレー・ヌーボーの白ですか!?
ワインヌ先生
違う違う。ボジョレー新酒は基本的には赤とロゼしかないぜ(※)
※ AOCワインの場合は赤とロゼのみ。それ以外は、これに限らず。
まーくん
え、そうなんですか?
ワインヌ先生
そうなの。新酒で白オッケーなのはマコンが有名だけど、今回はラングドック(※)の白ヌーボーを紹介しちゃうぜ

 

※フランス南部中央にあるワイン銘醸地。安旨ワインの宝庫です。

ラングドックの白ヌーボーはAOCじゃありません。

ワインヌ先生
ちょっと説明が面倒なんだが、フランスは超高品質なワインとか食品にはAOC=原産地呼称をつけて「これの原産地はここです!」って一発でわかるようにしてる(※)。

AOCに認定されるにはかなり厳しい審査があって、また製造する際にも厳密なルールがあるから大変なんだな

※ ワインに限らず、チーズ、ハム、野菜など。モンサンミッシェルのムール貝にもAOCがついてたりします。
まーくん
ふむふむ
ワインヌ先生
で、ボジョレー・ヌーボーってのはAOCの場合は赤とロゼのみOKなんで、こないだ飲んだ赤泡はAOCじゃない
まーくん
はーなるほど
ワインヌ先生
そんで、今回する新酒もAOCじゃない。ラングドックもAOCの場合、新酒は赤とロゼのみって決まってるからAOCで白のヌーボーは存在しない
まーくん
なるほど~。味に違いってあるんですか?
ワインヌ先生
あんまりない、というか特に新酒の場合はそれがAOCなのかそうじゃないのかって飲んだくらいじゃわからん。

ただし、AOCワインはやっぱりどうしても高めになるから、そうじゃないワインは上手く探せば安旨なものが結構ある

【白ヌーボー】ドメーヌ・アルノー アルノー・ヌーボー・ブラン

ワインヌ先生
というわけで白ヌーボー!



まーくん
おおお!!
ワインヌ先生
これ、低温で醸造しててナイトハーベスト(※)してるから、果実の旨味とフレッシュさが際立ってて1,000円台にしてはスゲーよく出来てるんだよな
※ ナイトハーベストとは夜が明けないうちに原料のブドウを摘み取ること。3MH(3-メルカプトヘキサノール。マンゴーやパッションフルーツにも含まれる)というグレープフルーツの香りにも含まれる成分や、その前駆体である抗酸化作用があるグルタチオンが多くなるという研究結果があります。
まーくん
どれどれ……おーフレッシュですね。でもまろやかさもある
ワインヌ先生
だな。ソーヴィニヨン・ブラン100%なんだけど、このまろやかさがトロっとしててアカシアっぽい。さらに鼻に抜けるのは白桃にメロン。ちょっとマッシュルームっぽい香りも味出してるな
まーくん
たしかにメロンの香りしますね!

海老天丼に合わせてみた


ワインヌ先生
んで、例によって何か食べもんに合わないかなーと思ったんだけどさ
まーくん
海老天丼ですか。なぜこれに合わそうと……?
ワインヌ先生
安くてフレッシュな白って、海鮮物に合うよなと思って。

高い白ワインは樽熟してるから、海鮮物の生臭さが際立つけど、安い白はステンレスタンクで造ってるからいけるかなと。

案の定いけたな。うまーーーー!!



まーくん
わーホントだ
ワインヌ先生
試しに鮭とも合わせてみたけど、安シャブリほどじゃないけど生臭さが際立つことなくて良いと思う
まーくん
でも、なんで生臭さが際立っちゃうんですか?
ワインヌ先生
ワインの中にある鉄イオンが食物の脂質に触れた際に生臭さが発生するんだとさ。鉄イオンが少ないワインは甲州(※)使ってるやつって言われてるな。あとはシュル・リーでつくられたワイン
※ 日本を代表する白ブドウ品種。酸味、苦味が強いので製造の際、シュル・リーが採用されることが多いようです。
フランス北西のロワール地方で盛んに栽培されているミュスカデも、シュル・リーが採用されることが多いです。
まーくん
へー!
ワインヌ先生
うっかり口の中で生臭さが発生したら、オリーブオイル舐めるといいぜ。これも生臭さを抑えてくれるから
まーくん
じゃあ、カルパッチョとかカプレーゼ(※6)とか、いいかもしれませんね
※6 カルパッチョ→生野菜と刺し身や生肉をオリーブオイル、にんにく擦り下ろし、塩、酢などで和えた料理。カプレーゼ→モッツァレラチーズとトマト、バジルなどを塩コショウ、オリーブオイルで和えたイタリア南部の料理。
ワインヌ先生
女受けしそうなメニューに詳しいな……