ワインの名前 Friedrich Becker Pinot Noir Kammerberg
生産地 ドイツ/ファルツ VDP.グローセラーゲ(特級)
収穫年(ヴィンテージ) 2012
品種 ピノ・ノワール
アルコール度数 13.5%
特徴 ゴ・エ・ミヨ常連のフリードリッヒ・ベッカーが造る、VDP.グローセラーゲのワイン。

熟成に使用される樽は、その多くが自己所有森から伐採されたものが原料。

醸造所はファルツ最南端にあるシュヴィンゲン村。

ラベルのキツネちゃんはフリードリッヒ・ベッカーJr.の二の腕内側(右手)にタトゥーとして彫られている。かわいい。

ピノ・ノワールの名手で、一番安価なシュペートブルグンダーが3000円前後だが、驚くほどおいしい。

↑のスタンダードクラスは「大樽8割、小樽2割で熟成」だが、このカマーベルクは南向き斜面100%のフランス領特級畑となり、少し表土があることから柔らかな味わいに。樹齢は最高50年。

なお、ベッカーのピノ・ノワールは……

・スタンダードクラス→上のシュペートブルグンダー 3000円くらい
・シュペートブルグンダー→Bの名前が入ったスタンダードクラスよりワンランク上のワイン。5000円くらい。
・シュヴァイゲナー→村名入り、単一村 6500円くらい。
・セカンドラベル→特級畑であるカマーベルクとザンクトパウルの畑のブレンド。新樽、古樽半々で熟成。10000円くらい。
・カマーベルク→このワイン。単一畑。15000円くらい。
・ザンクトパウル→ベッカーが新しく開墾した特級畑。表土なし、硬質なワインに。平均樹齢は20年。15000円くらい。
・ハイデンライヒ→醸造所最上級のピノ・ノワール。ザンクトパウルにある特別な区画から収穫されたブドウ使用。30000円くらい。
テイスティングコメント 一番安いシュペートブルグンダーがあまりに美味しかったので購入。さすがにハイデンライヒはちょっと手が出しづらく。

抜栓した直後から、圧倒されるほどの香りが吹き出してめちゃくちゃ驚いた。エレガントなんだけど、めまいがしそうなほどセクシーなのは相変わらず。スタンダードクラスのよりも香り方が格段に違うことは明らか。

キャンディやラズベリー、薔薇の香水の香りがあり、口に含むと旨味が襲ってくる。

が、しかし。

2012年、飲むには早すぎました。すももやプラムなど、まだ青っぽい香りがしていて、酸味もちょっと気になる。

熟した桃、トリュフ、ハーブ、紅茶、腐葉土……どんどん香りが変化してきて、梅のみずみずしい果実の香りも。でもこれもまだ若い証拠。

しばらくすると三つ葉やクローブ、悩ましいピンクペッパーの香りもしだして、アフターも異様に長い。さすが特級と思うも、あと5年くらい寝かせればよかったと反省。

案の定、クレ・デュ・ヴァンを2、3秒つけてちょうど良い感じでした。

なお、2日目のほうが美味しくいただきました。
ゴルゴンゾーラチーズに合わせると、高級な生チョコの味に。スモークも香り、あまりにくるくると表情が変わるのでとにかく楽しめました。

価格 15000円くらい
評価 すぐ飲みたい人にはオススメできません。それならぜひ、スタンダードクラスのシュペートブルグンダーを。
しかし、素晴らしいワインであることには間違いないので、2012ヴィンテージなら2022年以降にどうぞ。
高いワインは長寿、10歳まではまだまだ赤ちゃん。これを忘れないようにします。