画像:PRTIMESより
スペインのカバと言えば、瓶内二次発酵のトラディショナル方式で造られており安価なのに高級スパークリングワインとして知られていました。しかし近年、カバの存在を確立したラベントス社に何やら動きがあり、さらに高級カバが登場するなどスペインの泡ワイン事情に大きな変化があったようですよ。
【更新情報】
2018年1月29日公開。
2019年7月24日更新。
超高級カバの登場
ワインヌ先生
2016年から厳しい規程をクリアしないといけない単一畑のプレミアムカバが登場してる
まーくん
なんと!
ワインヌ先生
12の畑が最上級の格付けである「カバ・デ・パラヘ・カリフィカード」(Cava de Paraje Calificado)に認定された。
瓶内で36カ月以上の熟成、樹齢10年以上のブドウ樹から手積みで収穫すること、最大収穫量が8,000kg/ha、及び、最大収量が4800L/haであることなどが規程で決まってる
瓶内で36カ月以上の熟成、樹齢10年以上のブドウ樹から手積みで収穫すること、最大収穫量が8,000kg/ha、及び、最大収量が4800L/haであることなどが規程で決まってる
まーくん
今までカバは9カ月以上の熟成でレゼルバが15カ月以上、グランレゼルバが30カ月以上だったのでかなり厳しいですね
ワインヌ先生
詳しいな……
ワインヌ先生
そんで、そのうち3つの畑が人気ブランドであるコドーニュのもので、2017年12月からキリンから数量限定で売りに出てたな
まーくん
えっ、1本20,000円以上!?
ワインヌ先生
そうそう、ブルゴーニュのグラン・クリュみたいなもんだから、高いんだな
まーくん
「アルス・コレクタ 456」は1本29,800円ですね。特級畑3つから採れたブドウがブレンドされてるとのことで、これは残念ながら単一カバの区分には入らないようです
ワインヌ先生
特級にはなんないものの、ブリオッシュに白い花にベリーにアーモンド、熟した果実が次々と現れるらしいぞ、すごい美味しそう。
普通のカバには、まずないような重厚感なんだろうなと思うとヨダレが……
普通のカバには、まずないような重厚感なんだろうなと思うとヨダレが……
まーくん
うーん、庶民には手が出しづらいという点がなあ……
ワインヌ先生
それだけ旨いんじゃん?
さて。では、そんなキミに朗報です。
特級畑は認定されたから発生したもんじゃなく、当然だから認定前からあってワインもバンバン造られてる。
だからその中で絶品カバたちの原料ブドウの畑が特級とされた。
てことはさ、普通にそのワインは市場にあるわけだ
まーくん
まさか……
ワインヌ先生
そう、特級との説明がされてないだけで、日本の市場にも普通に流通してるのを発見してゲットしたので、後日飲んでレポしちゃうぜ!
まーくん
やったね!!
特級カバ(特選カバ)一覧
会社 | 銘柄 | 畑名 |
CODORNIU | FINCA LA PLETA | La Plata |
CODORNIU | FINCA EL TROS NOU | El Tros Nou |
CODORNIU | FINCA LA FIDEUERA | La Fideuera |
TORELLÓ | GRAN TORELLÓ 225 | Vinyes de Can Marti |
RECAREDO | TURÓ D’EN MOTA | Turô d’en Mota |
RECAREDO | SERRAL DEL VELL | Serral del Vell |
ALTA ALELLA | MIRGIN | Vallcirera |
JUVÉ I CAMPS | LA CAPELLA | Finca La Capella |
FREIXENET | CASA SALA | Can Sala |
GRAMONA | Ⅲ LUSTROS | Font de Jui |
VINS EL CEP | CLAROR | Can Prats |
SABATÉ I COCA | SABATÉ I COCA RF | Terroja |
特級カバじゃないけど、美味しいスペインの泡ワイン
ワインヌ先生
ちなみに、特級カバじゃないけど美味しいエスプモーソ(スペインの泡ワイン)もある。ラベントス・イ・ブランってやつ。DOカバを抜けちゃってるからカバじゃないらしい
まーくん
1本1000円台って夢が広がりますね!
トップシェアのコドーニュ社から独立したラベントス
ワインヌ先生
ちょっと説明すると、カバってのはスペインのワイン法で製法や使用可能品種などが規程されているスパークリングワインで、シャンパンと同じトラディショナル方式で造ってるってことがウリ。
ただ、シャンパンとは違って値段が数百円からあって、1,000円台でかなり美味しいものにありつける
ただ、シャンパンとは違って値段が数百円からあって、1,000円台でかなり美味しいものにありつける
まーくん
近年、安旨ワインとしてヒットしてますね!
ワインヌ先生
そうそう。
トップシェアはコンビニでも売ってるフレシネ社とコドーニュ社。
そのコドーニュ社の一族であったジュセップ・マリア・ラベントス・イ・ブランが1970年にD.O.Cavaを設立し、さらに息子であるマヌエルと「ラベントス・イ・ブラン」ブランドを立ち上げ、1984年に妥協を許さないカバ造りに着手してつくられるようになった
まーくん
じゃあ、コドーニュに似た味なんですか?
ワインヌ先生
いや、結局大量につくって大量に売るっていうスタイルに対して意義を唱えて新ブランドを立ち上げてるんで、似た味ではないな。ぶっちゃけ、試飲会で飲んだときに、ぶわっと広がるトーストや栗、カラメルにアンズといった風味といいクリーミィな泡は、その4倍の値段はするものかと思うほど美味しかったぞ。さらに、スペインの3つ星レストラン全店と、2つ星レストラン10店中9店で採用されてて、パーカーポイントは90点だぜ
まーくん
(゚A゚;)ゴクリ
ワインヌ先生
結局、近年カバの認定企画が広がりすぎちゃって、自分たちが確立させたカバとは趣向が違うようになったから、2013年にラベントス社はカバを脱退して現在は格はただのエスプモーソとなってるが……
まーくん
が……?
ワインヌ先生
2019年、特級カバもつくってるグラモナなど人気の高いスペインの泡ワイン生産者がカバ.D.O.から離脱。Corpinnat(コルピナット)っていう新しいラベル表示をつけたワインを生産することが発表されたぜ!
まーくん
おお! 今後の動きに期待ですね
ワインヌ先生
シャンパンは高いけど、カバなら買えるし割と美味しいってこと、もっと知られるといいなあ