アニメもそろそろ放送される名作漫画『BANANA FISH』。作中に有名すぎるワインのロマネ・コンティのパロディが登場しているってご存知でしたか?1本100万円もするこのワインについて、ご紹介したいと思います。
【更新情報】
2017年11月8日公開。
2019年7月31日更新。
ワインヌ先生
ロマネ・コンティ飲みたいなあ
まーくん
何ですか唐突に……。
今、いくらくらいするんですか?
ワインヌ先生
1本100万円以上するな。
まーくん
え! 1本って750mlが!?
ワインヌ先生
そうそう
まーくん
飲んだことあるんですか!?
ワインヌ先生
あったらいいよね!
ロマネ・コンティ=畑の名前
ワインヌ先生
そもそもロマネ・コンティって何の名前か知ってる?
まーくん
ワインの銘柄じゃないんですか?
ワインヌ先生
まあそうなんだけど。ワインのボトルに書かれてる「Romanée-Conti」(ロマネ・コンティ。ボトルは全大文字)ってのは畑の名前なんだな
まーくん
じゃあ、全てのワインの銘柄=畑の名前なんですか?
ワインヌ先生
だったらわかりやすいんだが……
そうとは限らなくて、村の名前だったり地方名、地区名だったり、品種や造り手の名前のこともあるな。フランスのワイン法(※)で守られてるワインの場合は格が高いほど狭いエリアの名前がつけられることになってる
※ 原産地統制呼称法。アペラシオン・ドリジーヌ・コントローレの頭文字をとってAOCと呼ばれています。
まーくん
へー
ワインヌ先生
で、ロマネ・コンティはその中でもブルゴーニュに32(※)しかない特級畑の1つで、DRC社だけが所有してる畑なんだぜ
※ コート・ド・ニュイ地区とコート・ド・ボーヌ地区にあわせて31、これにシャブリ地区の「シャブリ・グラン・クリュ」を合わせて32。ただし「シャブリ・グラン・クリュ」の場合、7つ(非公式のムートンヌも加えれば8つ)のグラン・クリュの畑があり、ワインボトルにはまとめてAOCが「Chablis Grand Cru」と表記される。
まーくん
じゃあ、特級畑のワインは全部1本100万もするんですか!?
ワインヌ先生
いや、100万以上するのはロマネ・コンティとか、あとはワインの神様って呼ばれてたアンリ・ジャイエ(※)のリシュブール(※)とか。
あとはだいたい1万円くらいから
※ 2006年に亡くなったブルゴーニュの天才醸造家。
まーくん
それでも高い……
ロマネ・コンティが100万円以上もする理由
まーくん
じゃあロマネ・コンティが100万もする理由ってのは……
ワインヌ先生
神に愛された畑と言われてるくらい地質が良く、2000年も続く伝統的な有機農法でめちゃくちゃ美味しいブドウをつくってて、さらにそのブドウを使ってたこれまた伝統的かつ並外れたスキルの醸造法(※)でつくられてることが理由としてあげられるかもな
※ ビオディナミ農法という、自然を尊重し除草剤や殺虫剤などの化学薬品、化学肥料に頼らない農法を採用しています。さらに、馬を使った耕作、除梗せずに木桶に入れて自然の酵母で発酵させるなど、手はかかるけれど土地の特徴が如実に現れる製造方法で造られているようです。
ワインヌ先生
さらに、人の手がめちゃくちゃかかってる。例えば、ブルゴーニュが雹に襲われた年は、傷ついて腐敗したブドウをスタッフが総出で1粒つずつピンセットで取り除いた(※)っていう話もある。こういう手のかけ方はロマネコンティほど高価なワインじゃないと給料だせないので、できない
※ 1983年。雹が降り、酷暑の上に湿度が高く腐敗の進みが早かったため腐敗果となってしまったようです。この年は普段より2,000本ほど少ない4,000本弱しかリリースされていません。
まーくん
ひぇええ……
ワインヌ先生
あとは希少性もあげられる。1畑が1.8haしかないから年間で6000本しかつくられてないんだよな
まーくん
それって、どんくらい少ないんですか?
ワインヌ先生
よくスーパーで見かける500円くらいのワイン「サンタ・ヘレナ・アルパカ」が年間販売数1,200万本越え
まーくん
マジっすか!
ワインヌ先生
ちなみにシャトー・ラトゥール(※)でも年間販売数が21万本くらいだから、ロマネ・コンティがどんだけ少ないかわかるかと
※ フランスの銘醸地であるボルドー地方の5大シャトーのうちのひとつ。
まーくん
そりゃ欲しい人も増えるし、どんどんレア度が上がっちゃうわけですね
漫画『BANANA FISH』にも登場してた
まーくん
そういや、ロマネ・コンティって『BANANA FISH』(※)にも登場してませんでしたっけ?
※ 吉田秋生先生の名作。5巻は昭和62年発刊。2018年7月からアニメ版がスタートしており、8月30日放送回でロマーニュ・コンティが登場。
ワインヌ先生
5巻に「ロマーニュ・コンティ」って名前で登場してるな。69年のものをブラインドで飲んだアッシュ(※)が見事当てて、パパ・ディノに「ブラボォ」って言われてるシーンがあるな
※ 主人公。超美形&超天才のストリートキッズをまとめるボス。幼い頃にマフィアであるパパ・ディノに気に入られて以来、社交界に通じるマナーや振る舞いなどを叩き込まれてきたが反発。ワインのテイスティング能力も長けている模様。
<『BANANA FISH』5巻表紙 ©吉田秋生:管理人の所持物撮影>
まーくん
詳しいな……
まーくん
てことは、アッシュは以前にも飲んだことがあったんですね
ワインヌ先生
だよなー羨ましーなー!! ちなみに69年は現在約68万円で買えるらしい。飲み頃過ぎてんのかな
画像はwine-searcherから
まーくん
漫画1,700冊我慢したら買えますね!