土地から土地へと配送されて旅疲れしたワインは、すぐに開けてはいけない────
そんな話を聞いたことはないでしょうか?
旅疲れしたワインは“暴れた状態”だから、休ませてあげなければならないと聞いたことがあるかもしません。
今回はそんな、旅疲れして“暴れた状態”になったワインについて、お話してみたいと思います。
ワインヌ先生
ワインが到着したぜ
まーくん
わーい!! 早速飲みましょう!!
ワインヌ先生
アウト
まーくん
えっ
ワインヌ先生
旅疲れしたワインは、すぐ開けちゃダメなんだな
まーくん
まじですか、なんで……!?

ワインが“暴れた状態”とは?

ワインヌ先生
ワインの中身が“暴れた状態”になってるから
まーくん
だから、その“暴れた状態”って何なんですか!?
ワインヌ先生
よくぞ聞いてくれたな……。

ワインが振動に弱いのは知ってるよな?

まーくん
はい
ワインヌ先生
なんで振動に弱いか知ってる?
まーくん
えっと、揺さぶられることで微妙に熟成が早まっちゃうからでしょうか?
ワインヌ先生
そうなんだな。

ワインの中には酵母とか滓とか酒石とか酸素とかいろんなものがとけていて非常にデリケートで、静かな状態で置いておかないと繊細な味はちゃんと発生してくれない。
とは言え、揺さぶられただけ年を取っていくんじゃなく、ちゃんと休ませれば元に戻る

まーくん
ほう
ワインヌ先生

ワインによって、瓶の中に酸素があるか無酸素状態なのかは違っていて瓶内の酸素がなくなったワインについては酸化が早まってしまうし、還元状態のワインについては、ワインにほどよく溶けた酸素が液体の中で暴れてしまうことで味のバランスが崩れてしまってるんだな。大味になっちゃったり、妙にツンツンしてたり

また、滓を含む場合のワインはわかりやすくて、液中にそれらが舞ってたら飲めたもんじゃないから立てて落ち着かせる必要がある

余談ですが……

ワインのコルクは空気を通さないため、瓶詰めされ栓をされたワインは瓶内の酸素がなくなった後、還元状態となり飲み頃となります。そしてピークを超えた後は、枯れていきます。瓶詰めした後からピークまでを「エイジング・ポテンシャル」といい、この長さやそれに至るまでの速度はワインによってまちまちです。

まーくん
でも、安いワインって飲む直前に思い切り振るといいってテレビで見ましたよ……?
ワインヌ先生
それは安いワインに限る。瓶内に酸素が残ってて、かつ、あんまり香りが繊細じゃないワインだな。開ききってないワインを無理やり開かせる方法だが、ちょっと良いワインでそれやっちゃうとタンニンが変にざらついたり樽香が飛んじゃって薄っぺらくなる
まーくん
なんてこと!

ワインを休ませる時間

ワインヌ先生
というわけで、配送されたワインとか例えば自分で車や自転車で移動させたワインは、ちゃんと休ませたほうが美味しくなるぜ、と
まーくん
どんくらいの時間休ませたほうがいいんですか?
ワインヌ先生
配送にかかった時間(振動に晒された時間)×2の日数かな
まーくん
ということは、1時間かかったら2日、10時間かかってたら20日ってことでしょうか
ワインヌ先生
そうそう。
まあ、目安にしておいてもらえれば。

ちなみに、揺られても全然平気なワインもあるし、それこそ飲む直前に振るような安ワインの場合はすぐ開けても問題ないと思うぞ

振動で熟成させるワインもある

ワインヌ先生
実は、重いワインを緩やかな振動に晒して、美味しくしちゃうぜってワインもある
まーくん
えーおもしろい
ワインヌ先生
前にも紹介したけど、海底熟成ワインのSUBRINAがそれだな
まーくん
ああ!
ワインヌ先生
海底の緩やかな振動が、ワインを超まろやかにしてる。
地上のセラーで寝かせた同じものと飲み比べたら全然別物だそうな
まーくん
いいなあ……!
でもそれだけ、ワインには振動が影響するってことですね
ワインヌ先生
そうそう。
なので、すぐ飲みたい気持ちはあるだろうけど、高いワインほど旅疲れでくたくたになってるから休ませてあげてほしい
まーくん
了解しました!!

画像:Public Domain Pictures.neより