え、イギリスってワインつくってたの!? と思う人も多いと思いますが、結構名作が多いんですよ。
というわけで、今回は珍しいイギリスのロゼスパークリングワインをご紹介したいと思います。

【更新情報】
2017年11月22日公開。
2019年5月23日更新。

 

 

 

ワインヌ先生
目ン玉飛び出そうになるくらい美味しいスパークリングワインがあったんだけど、なんと産地がイギリスだったんだよ
まーくん
おお! イギリスのワインって飲んだことないです

バルフォー 1503 ロゼ ドライ NV



ワインヌ先生
イギリスは南部にワイン産地が集中してて、特に南東部の端っことそのちょこっと北東のケント州周辺は多いみたいだな
まーくん
イギリス自体、寒いとこにありますもんね
ワインヌ先生
このワインが造られてるのはロンドンから電車で40分くらいのとこにあるケント州ロイヤルタンブリッジウェルズ
元々、1503年に建てられた領主の家であるマナーハウスを1980年代に現・オーナーが買い取ってワイナリーにしたんだと。

さすがイギリス、優雅

まーくん
ブドウ園に囲まれた小高い丘にある家って……なんか映画か漫画みたいな話ですね
ワインヌ先生
なー。

さてこのワインだが、ピノ・ノワールが55%、シャルドネが40%、ムニエが5%

開けた瞬間に香ったのはイチゴジャム。ほのかな甘酸っぱい香りが優雅だけど、かなり強く香ってきた。口をつけたら、めっちゃくちゃ濃厚な蜂蜜。本当に蜂蜜が入ってんじゃないかと疑うくらいだったぜ。しかもキンキンに冷えてても美味しい。シャンパンだと、こうはいかないかも。

さらに、しばらくするとヴァニラが立ち上る。イチゴに蜂蜜にバニラ。甘口かと思うほどの香りはブドウと土壌、そして造り手のとんでもない力を感じる


ワインヌ先生
あと、写真ではわかりづらいけど、すごい上品なオールドローズ色というか。うっとりするようなロゼの色なんだぜ
まーくん
の、飲みたかった……某神咲氏的(※3)に表現すると?
※3 みんな大好き、ワイン漫画『神の雫』の主人公の神咲雫のこと。
ワインヌ先生
そーだなー三原ミツカズ(※4)の漫画に出てきそうな結婚式、かな。ヴィヴィアン(※5)とか超似合いそう。

1本6,000円くらいだから、ちょっと頑張ったら手が出る値段だし、それ以上にシャンパンでこのレベルの味を求めたら数万はするからコスパ高すぎだと思う

※4 ゴシック&ロリータを描かせたら天才的な漫画家。初期作品『ハッピ・ファミリー』に登場する2つの結婚式なイメージかも。
※5 イギリスのブランドであるヴィヴィアン・ウェストウッド。王冠×土星みたいなオーブのマークで有名。

 

イギリスとボルドーの関係

まーくん
でもイギリスって、テキストにも出てこないしあんまりワインと関係にないイメージですよね
ワインヌ先生
やっぱり土地柄平均気温が低いからってこともあるけど、歴史的にはボルドーとめっちゃ関係してたんだな
まーくん
え、意外
ワインヌ先生
12世紀(※5.5)のことなんだけど、フランス国王だったルイ7世の嫁さんであるアキテーヌ公アリエノールさんが、後のヘンリー2世と不倫した挙句離婚して結婚したことがあって
※5.5 日本では平安時代。
まーくん
ふむふむ
ワインヌ先生
アリエノールさん、 アキテーヌ地方つまり今で言うボルドー地方周辺の領主だったもんだから、ヘンリー2世がフランス南東部からスコットランドまで領地として治めちゃうことになって、ボルドーワインがイギリスにめっちゃ供給されることになった模様
まーくん
へー! じゃあ、イギリス人は当時から、あのボルドーの重い赤ワインとかソーテルヌ(※5)極甘口ワインとかを好んで飲んでたんですか?
※5 ボルドーに流れているガロンヌ川左岸(西側)にある貴腐ワインの銘醸地。
ワインヌ先生
いや、当時はクラレット(※6)という軽い赤いワインが大流行していたんだな。メドック(※6.5)でブドウが栽培され始めるのは17世紀移行から結構遅い
※6 クラレットはワインエキスパート&ソムリエ試験に出題される可能性があります。
※6.5 メドックはボルドー5大シャトーのうち4つのシャトーがあるワイン産地。重くてどっしりとしたワインが多く、シャトーは1級から5級まで格付けされ、さらにその下にはクリュ・ブルジョワ級やエクセプショネル・ドゥ・メドックなどの美味しいワインがたくさんあります。
まーくん
へーそうだったんですか!
ワインヌ先生
イギリスは当時から世界の市場の中心だったから、イギリスと形はどうであれ繋がったことで世界中にボルドーワインが広がったとういわけ
まーくん
アリエノールさんに乾杯っ……!

イギリスには名作泡ワイン・ナイティンバーがある

 

まーくん
そういや、イギリスと言えばナイティンバーが有名ですよね
ワインヌ先生
だな。

それもイギリス南部で造られてて、シャンパーニュと土壌が似てるからすごいシャンパン似のワインが造れるって言われてるな。

バルフォーロゼもナイティンバーも各ワイン誌で評価高いし、いろんな賞取ってるな(※8)

※8 バルフォーはイギリスの世界的に影響力絶大なワイン雑誌『デキャンター誌』の「ワールド・ワイン・アワード 2015」で銀賞を受賞しています。
ナイティンバーはインターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(IWSC)にて2009年と2006年に銀賞を受賞。また「シャンパーニュ版パリの審判」とも言われる2016年のシャパンとイギリス産スパークリングワインのブラインドテイスティングに出品され、3部門のうち2部門でシャンパーニュに勝利し、残りの1部門も同等の評価が下されました(参考: ナイティンバー クラシック・キュヴェ [ボックス付き] )。
まーくん
ナイティンバー開けるときは絶対呼んでくださいよ!!
ワインヌ先生
まだ買ってないし