【勉強】シャンパーニュの製造工程を覚えよう!その②

シャンパンの製造工程について勉強していく第2回目になります。
後半も大事なポイントがあるので、しっかりと押さえていきましょう。
【更新情報】
2017年11月26日公開。
2019年4月25日更新。

 

シャンパンの製造工程後半

ワインヌ先生
 シャンパンの製造工程の前半覚えてる?


今回はシャンパーニュ地方を勉強する上で必須の「シャンパンの製造工程」について一緒に勉強していきたいと思います。覚えておくと試験のときに自信を持って答えられますよ。 シャンパンの製造工程なんだけど、文字とかテキストで叩き込むよりは小林史高さん(※1)の「ソムリエ資格試験対策講座」のシャンパン回を見ると良いぞ ※1 2013年に亡くなった日本のトップ・ワイン・アドバイザーのうちのひとり。著書に『シャンパン&スパークリングワイン完全ガイド』がある。https://www.youtube.com/watch?v=icuSyOaIi3Y「Sommelier For F...
【勉強】シャンパーニュの製造工程を覚えよう!その① - 

まーくん
もちろんです!
まーくん
ちゃんと復習したからな……
まーくん
収穫して圧搾したら一次発酵、そんで調合して瓶詰めしたら瓶内二次発酵。滓と共に熟成するとこまで勉強しました!
ワインヌ先生
おーやるじゃん。
じゃあ、今日は後半いってみましょうかね

倒立:Mise sure pointe:ミズ・シュル・ポワント

ワインヌ先生
滓下げ台、すなわちピュピトルと呼ばれる穴の開いた板にボトルを逆さにして差し込んでいく作業のことな

動瓶:Remuage(ルミアージュ)

ワインヌ先生
5~6週間の間、瓶を1/8ずつ両手で左右に揺らしながら回しつつ傾けていって溜まっていた滓を瓶口にゆっくりと集める作業のこと。

これは動瓶士という熟練した技を持つ専門の職人によって行われてるが、大手メゾンやコーペラティブ・マニュピラン(※1)では導入されてたりする。

このルミアージュ・マシーンの名前はジャイロ・パレット。2人のフランス人によって1968年に開発され、最初はシャンパンではなくスペインのカバをつくってるコドーニュ(※2)のワイナリーが導入したんだと

※1 シャンパンはネゴシアンであるN.M.、自社畑のブドウでのワイン造りが中心の小規模な生産者であるレコルタン・マニピュラン(R.M.)、そして生産者協同組合で生産販売をしているコーペラティブ・ド・マニピュラン(C.M.)などの生産者の業態があります。

※2 スペインのカバは瓶内二次発酵をしているコスパ高のスパークリングワイン。コドーニュは創業1551年の老舗で、カバの創始者。1872年にホセ・ラベントスがシャンパーニュで学んだ技術を持ち帰りカバをつくった。
まーくん
やっぱジャイロ・パレット使ったほうが早くルミアージュすることができるんですか?
ワインヌ先生
24時間稼働できるから、1週間程度で完了しちゃうんだと。すごいな(※3)
※3 味わいは手作業と変わらないと言われていますが、どうでしょう?

滓抜き:Dégorgement(デゴルジュマン)

ワインヌ先生
瓶口をマイナス20℃の塩化カルシウム溶液に浸して滓を凍らせ、栓をしてあった王冠を勢い良く外して飛び出させるんだな
まーくん
えー飛び出したシャンパンもったいなくないですか?
ワインヌ先生
だと思うじゃん? この吹きだしたシャンパンというかシャンパンの元は、直後に回収されて滓と一緒にマール(※4)の原料になるんだとさ
まーくん
へ~! よくできてるんですね
※4 ブドウのカスでつくる蒸留酒。

門出のリキュール添加:Dosage(ドザージュ)

ワインヌ先生
すげーいい名前じゃん? 門出のリキュール
まーくん
ですね。
これは『ソムリエール』(※5)読んで知ってます!

目減りした分をワインと糖分で補うんですよね。補う糖分添加量によってシャンパンの甘辛度が決定される。そして、添加しない場合もある

ワインヌ先生
その通り! そんときに補うものを門出のリキュール(リキュール・デクスペディション)と言う、と
まーくん
く~シャンパン飲みたくなっちゃいますね
※5 女性ソムリエ=ソムリエールを主人公としたワイン漫画。物語性のあるワインが多数登場するため、読んでいるとどのワインも欲しくなってしまいます。登場したワインはアンドレ・クルエのシルバー・ブリュット。門出のリキュール添加されていないシャンパン。

 

打栓:Bouchage(ブシャージュ)

ラベル貼り:Étiquetage(エティクタージュ)

ワインヌ先生
さて、門出のリキュールを添加されたりされなかったりしたシャンパンは栓が打たれて金具であるミュズレをしっかりと固定される。

シャンパンのコルクはきのこみたいな形をしてるけど、あれはもともと円柱状。お湯などで柔らかくして上から勢い良くプレスされて瓶口に入った部分が細くなってあの形になる

まーくん
最初から、あの形だと思ってました
ワインヌ先生
オレも。

最後にラベルを貼って出荷されるのを待つ感じな

おまけ:シャンパンの甘辛度について

ワインヌ先生
というわけで2回に渡ってシャンパンの製造工程を勉強していったけど、覚えた?
まーくん
……ちゃんと復習します!

そういや、シャンパンの甘辛度ってどんなのがあるんですか?

ワインヌ先生
あ、それもちゃんとやらないとな。ちなみに2009年7月に規定が改訂されたから注意

甘いほうからいくぜ。表記は1リットル中に残糖がどれくらい含まれるか、な

Doux:ドゥー 50g/L以上
Demi-sec:ドゥミ・セック 32g-50g/L
Sec:セック 17g-32g/L
Extra dry:エクストラ・ドライ 12g-17g/L
Brut:ブリュット 12g/L以下

さらにブリュットの中で細かくわけて記載できたりもする。

Extra brut:エクストラ・ブリュット 0g-6g/L
Brut nature:ブリュット・ナチュール 3g/L以下
Pas dose:パ・ドセ3g/L以下
Dosage zero:ドザージュ・ゼロ3g/L以下

そんで結構残糖については規定がゆるくて、プラマイ3gの許容範囲があるから20gの残糖があったとしてもセックスもエクストラ・ドライも名乗ることができるんだとさ

まーくん
だから結構表記で「あれ? 甘い??」って思うことがあるんですね
ワインヌ先生
逆も然り
vinvinvin