【臭くて不味いだけじゃない】ブショネの困った性質、知ってる?

雑巾臭、腐ったお酢、カビの生えたダンボール……さまざまなマイナスの香りに例えられるブショネですが、実は臭くて不味いだけじゃない困ったもう一つの性質が2013年に明らかになっています。今回はワインを飲む人にとって非常に大事なその性質についてまとめてみました。
【更新情報】
2018年5月24日公開。
2019年7月26日更新。
ワインヌ先生
フランス語ではブショネ(Bouchonne)、英語ではコルクテイント(corktaint)というワインの劣化だが、実は臭くて不味いだけの問題じゃないことがわかってきた
まーくん
なんと!

ブショネの原因・TCAは鼻をにおわなくさせる

ワインヌ先生
2013年、大阪大学大学院生命機能研究科が、ブショネの原因物質であるTCA(トリクロロアニソール)が、人の嗅覚も弱くさせちゃうという研究結果を発表した

大阪大学大学院生命機能研究科 竹内裕子助教、倉橋隆教授、大和製罐株式会社 加藤寛之博士らは、ワインのブショネ(bouchonné、コルク汚染)の主な生体機構が、原因物質2,4,6- trichroloanisole (TCA)による嗅覚経路の遮断によることを突きとめました。ヒトは、ワインに極微量濃度(pptレベル、1兆分の1)のTCAが含まれるだけでワインの風味劣化を感知します。テイスティングでブショネが確認されるとそのワインは廃棄せざるを得なくなり、これによる経済損失は年に1兆円に上るとも試算されます。しかし、TCAがヒトに対してどのよう...
ワインのブショネ(コルク汚染)の生体機構解明―ワインのみではなかった、飲食品の... - 大阪大学
まーくん
ええ!
ワインヌ先生
つまり、ブショネワインを飲んだときは「臭っ! まずっ!」と思ってメンタルダメージを受けるだじゃなく、TCAが嗅覚受容体に達した瞬間に「嗅覚の減弱・遮断」が起きてしまうという
まーくん
ということは、そのワインを不味く感じるだけじゃなく、本来そのワインが持ち得る香りまで感じられなくなっちゃうってことなんですか?
ワインヌ先生
その通り

香らないレベルのTCAも香りを殺す

ワインヌ先生
さらに困ったことに、香らないレベル、すなわち閾値に達していない量のTCAも「嗅覚の減弱・遮断」を起こしてしまうため、ブショネ臭がなくても「あれ、このワインこんなに香りがペラッペラだったっけ……」という悲しい自体が起こってしまうというわけ
まーくん
ブショネワインは軽度から重度まで含め発生率は3%から5%でしたよね……
ワインヌ先生
そう。実際にはブショネ臭がしなくても、TCAはワインの香りを殺してしまう(実際には人間側に香らなくする)ため、かなりの注意が必要
まーくん
なんという……同じワインを過去に飲んでたら、「不味くなったな」と思っちゃったりしますよね
ワインヌ先生
それどころか、はじめて飲んだワインの場合は「こんなもんか、残念」となるだろうから怖いな
まーくん
ヒィ!
ワインヌ先生
ちなみに、ワイン以外の飲料や食品もTCAに汚染されていることがあって、検知されないレベルの量の汚染であっても品質劣化をまねく可能性について研究する必要がある、と言及されている
まーくん
なるほど
ワインヌ先生
さらに、この研究結果を逆手にとって消臭剤として利用できないか、という未来への研究についての言及で締めくくられているが……
まーくん
え、ちょっと怖くないですかね、諸刃の剣というか
ワインヌ先生
だな~

ワインを飲む人は「TCAは臭いだけじゃなく、香りも殺す」と覚えておくと、後々ワインを飲む中で役に立つことがあるかもしれんな

まーくん
香りが死んでるワインとかにあたったときは、ちょっとTCAのことを思い出したいと思います!
vinvinvin